とある工場労働者の話 高校の同級生のM。 こいつは派遣の製造を転々としている、筋金入りの工場労働者。 それ自体は全然いいんです。 何も文句は無い。 でもそいつに会ったら何故かいつもイラッとさせられる。 交代制4勤2休の毎日。 実質の拘束時間は9時間ほど。 それで会えば「楽だわ~♪」って言いながら次のセリフが「景気悪くて残業できないから金無いわ~」 ....バカかよ。 休みまくりやがって。バイトいけや。 ていうか危機感持てよ。 仕事が楽なら楽なうちに資格取るなり起業の準備始めるなり、とにかく何か副業でバイトでもしろや、と。 休みは何してるのかと尋ねれば、「酒飲んで家で寝てるかゲームしてるか」 だから、なんでそうなるんだよ。 本当に疲れてるのか? 今のお前に休みなんか要らんだろうが。 所謂工場勤務の"悪い意味"でのヌルさに腐りきってやがるんです。 製造業がダメなのではなく、考えずに与えられた仕事をこなす毎日に慣れきって、考えることを止めているのがダメ。 お前一体何を作ってるの?と俺が聞くと「半導体」とそいつ。 何に使うの?と聞くと「センサー、とか?」とそいつ。 最終的にどういうモノになり、誰が使うのかも分からないモノを、作業ミスを上司にどやされながら、昼も夜も無い工場内で黙々と作り、疲れず壊れないペースで働き続ける。 夢を見ないで何が残るんだ、と。 せめて前を、というか自分の思い描く理想の自分を、日々の単調なリズムのせいで忘れることなかれ。